INTRODUCE ARCHITECTS
「TSCアーキテクツ」
TSC Architects
寛容性のある建築
衣食住といわれるように、人と住宅は非常に近い関係にあります。住宅は言うまでも無く人が生活を行っていく場です。 そこで人が育ち、食事をし、就寝し、くつろぎ、時にはけんかや病に伏せるときも有ります。 また昼の生活もあれば夜の表情も有り、家族を受け入れる寛容性が住宅という建築には特に求められるものだと思います。 寛容性とは「ある物事について、排斥することなく、おおらかに受け入れることができる気質や性質。または、そうした性質がどの程度あるかという度合い」とある。 自分にとって住宅が寛容性を持つということは、実感として建築が主張しすぎることなく配慮され、 ただ心地よいと感じたりできる「場」があたかも自然にそこにあったという状態が創れれば良いのではと思います。 そのためには、近隣との関係に責任を持ちその1軒が風景をつくるという節度ある態度で取り組むことを前提に、 風土・文化によって培われた過去の知を引き継ぎながらもクライアントとの対話の中から生まれてくる新しい「意味のあるデザイン」をすることが大切だと考えております。
実績紹介
「弥富ヶ丘の家」
風致地区(緑地率30%以上、壁面後退2m,1.5m)建ぺい率30%、10m高度地区という条件。
これらをポジティブにとらえ、緑を活用し街と住まい手が積極的に緑と関係性を持った住宅を提案したいと考えた。
敷地には、南道路に対して約2.5m程の高低差があり、そこに建ぺい率不算入な地下駐車場を設け、屋上を緑化テラスとすることで土地の有効活用を計りながら居住スペースに広がりと潤いを与えることを考えた。
南面には三階建ての集合住宅があり、プライバシーの確保を施主は望んでいた。
そこでこの敷地において、もっとも視界が開ける方向に建物を「く」の字に折り、ダイレクトな視線の交錯を避けながらも視線が空や緑へと伸びていく計画とした。
リビングは北側w4,950南側w3,600の木製建具が完全にフルオープンとなり、北庭と南の屋上庭園とを一体化し緑を感じる空間となっている。
2階バルコニーには上下左右ランダムに配置した緑化プランターをつくり、2階から見える景色に手前の緑・屋上緑化の緑・借景の緑へと視線が伸びる緑のレイヤーを提案した。
また壁面後退を逆手に取り、開放的な緑化駐車場とし屋上庭園の緑・2階バルコニーのプランターグリーンへとバーチカルな繋がりを持った植栽帯がこの住宅にも地域にも良好な環境をつくっている。
グリーンプランター18個は全て自動灌水でまかなわれ、施主の負担を減らし、夏には打ち水効果も得られ、日除けや適度なプライバシー確保にも寄与している。
都市住宅において、街にも住空間にとっても緑化されたスペースがもっと増えていけば良いと常々よく考えている。
「ORIGAMI」
施主の要望は「庇と開放的な空間が欲しい」であった。
この要望は、単に軒先を低く抑えた従来型の日本家屋でもなく「吹抜=開放的」と捉えた形式ではないと感じた。
気積を確保しながら、重心の低い「たまりのある空間」をつくるにはどうすれば良いかスタディを進めていった。
そこでORIGAMI屋根で「家族の暮らしを包み込む」ことを考えた。
中心の大きな空間に斜め壁が大地まで届く形式は、建築が身体的スケールまで持ち込まれることにより、開放感と落ち着き感が共存できる術ではないかと考えた。
このORIGAMI屋根は、冬には「伊吹おろし」を凌いでくれ、夏には日射をコントロールし、南風を取り込む。
構造的には屋根が大地にしっかり緊結されることで耐風圧によるスラストや吹き上がりを抑える様にしてある。
この様にORIGAMI屋根は家族を守りながら、ここでしか感じることの出来ない風景や家族の記憶も創っていく。
「日ノ宮の家」
南側道路に面している住宅の配置は、大抵駐車場を道路に対して垂直に配置してから南庭を確保し、南玄関を設けて建物が建ててあるケースが多い。
実際この通り沿いの住宅にもこの様な配置の住宅が数多く存在している。
しかし、この様な配置では、南庭のプライバシーも確保しにくく、南玄関のせいで居室の採光とプライバシーのバランスが難しい。
施主の要望は、プライバシーを確保した、風の通る落着きのある家であったので、日ノ宮の家では、道路沿いに横付の駐車場を確保した上で、コンクリート杉板打放しの壁の平屋と2階建が中庭をとり囲むプランとし、玄関も西側に露地を設け、中庭に面する様に配置した。
そうすることで、景観に圧迫感を与えることなく、落着いた家構えとなるばかりでなく、中庭に面したリビングや和室は、全引込の大開口により、外部空間を居住スペースに取り込んだ光・風・自然を感じれる開放的な空間にすることが出来た。
また、リビング・ダイニングにおいては、さらに光・風を得るために、平屋の屋根の向こうに空が見える様、開口の高さを計画し、明るさだけではなく、視線の抜ける心理的な開放感も得られる様、意図してある。
オフィス紹介
TSCアーキテクツ
田中義彰Yoshiaki Tanaka
1969年兵庫県生まれ 1993年三重大学工学部建築学科 卒 2008年迄中日設計など設計事務所勤務 2008年TSCアーキテクツ設立(愛知県知事登録 一級建築士事務所) ■受賞歴 ・グッドデザイン賞 2016 ・「AICA施工例コンテスト2016」特別賞 ・サンワカンパニーデザインアワード2016 エクステリア賞 ・ARCASIA 建築賞2015 Shortlisted Projects ・2014 INAUGURAL ARCHITECTURE ASIA AWARDS FOR EMERGING ARCHITECTSファイナリスト ・第33回三重県建築賞住宅部門入選 ・2014年 家づくり大賞「まちなみ賞」一般投票部門・家づくりの会選考部門ダブル受賞 ・2013年 SUMAInoSEKKEI LIVING DESIGN PHOTO CONTEST グランプリ ・AICA施工例コンテスト2012特別賞 ・2011年 リトアニア日本建築家展EAST-EAST3 ・第10回(平成14年度)へきなん都市デザイン文化賞
TSCアーキテクツ
〒453-0011 愛知県名古屋市中村区千原町4-3 ワカヤマビル3F
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