BLOG
2018.07.10
Detail daily life of the architect
YOUJU FUJIYOSHI
古民家
先日第二東名を走って静岡県の森町を訪れた。森の石松ゆかりの地として有名な町、江戸時代から栄えた町で寺や神社がたくさんある。
知らなかったけど中でも小国神社はたいそう立派な神社で入り口には参拝者相手の店が並んでいる。アジサイがきれいな寺や桔梗が売りの寺もある。
ちょっと山奥に入ると築400年の古民家が開放されていた。なんでも庄屋さんの家だったとかで広い土間には懐かしいかまどが今も活躍中だ。
この民家はただ見せるだけでなく宿泊させてもらえるのが売り、外国人が泊まって日本の伝統家屋を楽しんでいくケースもよくあるとか。頼めば隣に住んでいおられるオーナーの奥様にご飯をかまどで炊いいただけると言う話も本人から伺った。ちゃんと水洗便所があるし一度孫を連れてきてやりたいと思った。自分が子供のころまではずっとこういう民家で暮らしていた。長い歴史の中で見れば今みたいな暮らし方が特別なことなのだ。火も水もスイッチひとつで操作できるのは確かに便利だけそれとと引き換えに失ったものも多い気がする。
400年を経て尚輝きを失っていない民家、自分たちが今作っている家が400年後にこんな風に残るとは期待しにくい。人と自然との付き合い方をもう一度見直すことからはじめないといけないのかもしれない。
かやぶき屋根は時々葺き替えないといけない、木や土も手入れが欠かせない。それでも太い木の骨組みは昔のままに残った。長持ちする家とはそういうものなのだろう。