OTHERORIGAMI
- 構造・工法
- 暮らし方
「ORIGAMI」
ORIGAMI
周囲に山並みが広がり、丸石の石垣がこの集落には多く残されていた。計画地にも祖父の代に造られた石垣があり、それを残して街並みの記憶を継承している。屋根を折りたたんで大地にそっと置くように考えた家は、テントにも似た雰囲気を醸し出しながらも、切妻が大地に接地している様で山並みの風景にもよく馴染む。石垣に添ってアプローチしていくと建物の見え方が変化していき、まちなみにも少し変化を与えながら、ORIGAMIは田舎の街並みのアイコンとなり、家族と街並みにとっての新しい記憶となっていくことを考えた。
施主の要望は「庇と開放的な空間が欲しい」であった。この要望は、単に軒先を低く抑えた従来型の日本家屋でもなく「吹抜=開放的」と捉えた形式ではないと感じた。気積を確保しながら、重心の低い「たまりのある空間」をつくるにはどうすれば良いかスタディを進めていった。そこでORIGAMI屋根で「家族の暮らしを包み込む」ことを考えた。中心の大きな空間に斜め壁が大地まで届く形式は、建築が身体的スケールまで持ち込まれることにより、開放感と落ち着き感が共存できる術ではないかと考えた。このORIGAMI屋根は、冬には「伊吹おろし」を凌いでくれ、夏には日射をコントロールし、南風を取り込む。構造的には屋根が大地にしっかり緊結されることで耐風圧によるスラストや吹き上がりを抑える様にしてある。この様にORIGAMI屋根は家族を守りながら、ここでしか感じることの出来ない風景や家族の記憶も創っていく。
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