BLOG
2019.06.15
Detail daily life of the architect
KAZUNORI MUKAI
敷地のポテンシャルを活かす設計・続編2 向井一規建築設計工房
先日(6月11日)に掲載させてもらったブログ「敷地のポテンシャルを活かす設計・続編1」の続きになります。
B:自然豊かで牧歌的な環境 :屋外の環境・借景を捕りこみながら伸びやかに暮らす
7:蒲郡の家 /愛知県蒲郡市 「田園風景・川の借景+雑木林の庭・畑」 敷地:w16m × d26m = 416㎡(126坪)
夫婦+子供2人、木造2階建て 1F:17.5坪 2F: 13.5坪 延べ:31坪
・隣の畑と川の風景を捕りこむリビングダイニングキッチン
・川そして駐車場に面したグリーンカーテン
・ダイニングからの土間テラスを護る雑木林
3年後
●ロケーション・プロセス
奥様の実家の畑の一部を頂いて計画。竹島の河口から1kmくらい上った川沿いの敷地。
東側は河川敷を臨むことができ、南側は綺麗に整えられた隣家の畑が借景になる。
西側の実家の畑の風景も活かしながら土と親しむ家を設計。
土間テラスが室内のダイニングキッチンの土間と一体になり、畑につながる空間になる。
東側の川面の連窓は、雑木林のグリーンカーテンに覆われて木漏れ日の朝陽を浴びる。
ソフトウェアエンジニアの仕事をされているご主人のご要望で、豊かな緑に包まれて癒されたいというデザイン。
3年後、成長した樹木は鬱蒼とした理想の住空間になった。
8:塩河の家 /岐阜県可児市 「田園風景・山の借景+中庭・坪庭・前庭など多彩な庭」敷地:300坪(変形敷地)
夫婦+子供2人+母、木造2階建て 1F:37.5坪 2F:8.5坪 延べ:46坪
・西の山、東の水田の風景を捕りこむ住まい
・山を背景にした中庭と一体感をもてるリビングダイニングキッチン・和室
・玄関ホール向こうの坪庭・浴室洗面室前にある光庭・和室からの前庭と中庭
・離れた2棟の間に造りだした多彩な庭を個々に臨む楽しさ
●ロケーション・プロセス
山と山に挟まれた南北に延びる里山の中にある集落の兼業農家。 築60年の母屋を撤去して建て替える計画。
以前の母屋は南北に棟があり東西に開口部はあるが南面にはなく、南面に向けた明るいLDKを希望される。
本家であるご仏壇・仏間へのアプローチ、家族のプライバシイを護りながらの計画。西側の山を借景にした中庭は仏間とLDKと両方向から眺めることができる。 玄関アプローチ>玄関ホールからの潤いの坪庭の水鉢は、納屋から出てきた臼。
そして北側にあるコンクリート塀に包まれた庭は、洗面・浴室からの癒しの場。 広い敷地にそれぞれにテーマをもった庭。
周辺の里山の風景を取り込みながら敷地全体を活用したデザイン。
C:自然豊かな環境での住宅団地(A.Bの中間) :近隣との関係をつくりながら借景を捕りこみながら心豊かに暮らす
9:一志の家 /三重県津市 「山の借景+雑木林の庭」 敷地:100坪(変形敷地)
夫婦+子供1人+母、木造2階建て 1F:20.5坪 2F:9坪 延べ:29.5坪
・山上の造成地から谷向こうの山を臨む
・隣の小学校の校庭・緑とのつながり
・隣家と駐車場から護る築山の雑木林につつまれた中庭 >玄関は横から廻りこむ
3年後
●ロケーション・プロセス
土地探しから山の上の住宅造成地で変形地をみつける。 谷を挟んで山を臨み、東隣に小学校の校庭・緑が借景で見られる。
2階から遠くの山を臨む。南側の道路向こうに建売住宅。
駐車場の向こうには、家を囲むように築山をつくり雑木林でプライベートな庭をデザイン。
玄関のアプローチは左端を奥までスロープで導き振り返る。 プライバシイを護る建築の配置、部屋の間取り。
インナーテラスを中心に各室から南東側の庭を臨む。 東側も道路に面している勝手口のアプローチ・駐車場。
■ 最後に
敷地を最大限の可能性を使って体感する空間の大きさは変わります。 暮らしも変わります。
機能性を高めながら心の豊かさをもつデザインは、人人NET の建築家であれば可能です。
個人的にはコンパクトな家でも庭のあり方によって広く感じます。
1番は開口部の取り方。庭(屋外)と開口部がつながることによって広く感じるコンパクトな家の作り方のポイントです。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
向井一規建築設計工房 2019.6.15