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2020.03.24
Detail daily life of the architect
KAZUNORI MUKAI
長屋のリノベーション ・ RE長屋-ITO2 向井一規建築設計工房
20年ほど前に設計した長屋のリノベーションがきっかけで、いくつか長屋のリノベーションをしています。
名古屋駅の西側は戦災にあっていないこともあって、築100年程度の長屋がたくさんあります。
今回は、18年前にリノベした「RE長屋-ITO」の隣にある長屋の変貌をご紹介します。
before
前の借主の方の使われ方で改造されているため、原型は違っています。
しかし間口の右側は奥の中庭まで通り土間であることは変わりないです。
道路側の部屋が土間になっているのは、商売をされていたのかもしれません。
軸組(柱・梁)と土壁を残すように、表面上の仕上がりと床組みそして奥に増築した部分を撤去します。
その後、設備の配管など新しく現代の機能を整えて仕上りを設えます。
after 撮影:トロロスタジオ
外観は地味にシンプルに・・・主張はしないで風景に馴染むようにします。
天井上に隠れていた力強い丸太張りが空間のメインデザインです。
このうす暗い空間に差し込む光庭の陽が生命の源になります。
庭の向こうにはモダンで清潔感のある水廻りを配置し、庭の一部として空間を広げています。
奥深い長屋の魅力は、この光庭です。
「陰翳礼讃」日本の美を古民家の中にモダンなデザインとミスマッチさせた建築となりました。
RE長屋-ITO :2001年竣工した隣の長屋リノベ 撮影:榊原孝司
長屋の原型が同じため空間構成は、変わりなく「RE長屋-ITO2」も仕上がっています。
RE長屋-ITO と RE長屋-ITO2
向井一規建築設計工房 2020.3.24