BLOG
2020.03.28
Detail daily life of the architect
KAZUNORI MUKAI
人生フルーツ ・ 伊勢の棲 向井一規建築設計工房
伊勢のご夫婦の依頼で、終の棲家を設計させてもらうことになりました
ワンルームの小屋のような空間を希望されています。
話題になったのが、「人生フルーツ」という映画の主人公である つばたさんご夫婦が書かれた本
「あしたも、こはるびより。」と「きのう、きょう、あした。」です。
ご夫婦の住まい方・生き方が優しく語られて、のんびりとそしてたくましい生活が見られます。
特に [時をためる暮らし] という言葉に感銘しました。
料理好きな奥さんは、梅干しやラッキョウ・干し大根、そして味噌など発酵食品をよくつくられます。
このような食べ物は、時間をかけてじっくりつくるものです。
ご主人は、記録をとることが好きで、その記録(日記)は蓄積することで想い出がたまります。
広い畑で有機野菜やフルーツを育て、その食材を使って自給自足の暮らしです。
私の解釈でこれは、「手間暇をかけて生きる」ということかと思いました。
お二人の住まいは、建築家であるご主人が手掛けられた高蔵寺ニュータウンの中で広い畑のある家です。
チャーミングで献身的な英子さんと、優しくて実行力のあるしゅういちさんは、
お互いを敬いケンカひとつないのどかな暮らしをされています。
しゅういちさんは、建築家 アントニン・レーモンドの元で学ばれて敬愛されています。
この家もレーモンドの作品を再現されたデザインです。
伊勢のご夫婦は、これまでの生き方も違いますが・・・
住まわれる空気感を大切に「人生フルーツ」のような 伊勢の棲 を設計したいと思います。
向井一規建築設計工房