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2020.05.27
Detail daily life of the architect
オノコム
「京都祇園もも吉庵のあまから帖」を読んで
今日はほっこりした小説をご紹介します。京都祇園の甘味処もも吉庵を舞台にした短編小説です。作者は
中日新聞の愛知県内版で2018年までの12年間、「ほろほろ通信」を連載した名古屋市在住の作家志賀内
泰弘氏です。老舗お茶屋「吉うた」の女将高安美三子さんをモデルに綴った心温まる人情味あふれるお話
です。この老舗お茶屋がこの本の発売直前の昨年の7月に、隣の家から火の手が上がり燃え移り全焼しました。
あの花見小路が真っ赤な炎に包まれている様子をテレビで見ましたが、その時にこのお茶屋も焼けていた
ということを知りました。このあと、心配した志賀内さんは、女将さんにお会いすることができ、このような
困難な中にあっても、前向きな凛とした姿勢に「人生」を教えられたそうです。その女将さんがモデルの
元芸妓もも吉の、様々な悩みを抱えた人たちへの言葉が感銘を覚えます。心の機微が丁寧に描かれています。